戦略日記

段取りで是非が決まる #110

段取りで是非が決まる #110

段取り八分、仕事二分という格言があります。

この格言は、仕事にかかる下準備が完璧であれば、仕事は8割終わったようなものだという意味として使われています。すなわち、下準備がいかに重要かということです。

準備とは、「ある事にすぐ取りかかれる状態にすること。用意や支度となります。

私の若い頃、電気工事の現場で汗を流していた時、親方や先輩から良く言われたものです。振り返ると、その時は口酸っぱく言われてもピンと来ていなかったように思います。

確かに電気工事でいえば、工事期間中で電線を触って接続したりする作業は全体の1割程度くらいしかなく僅かな時間です。それまでは、電線を入れる配管工事のための穴開けや加工など準備作業が大半を占めていました。

準備不足のまま、場当たり的な仕事だと良い成果(質)に繋げることは、ほぼ不可能です。たまたま上手くいく場合もあるかも知れませんが、これはまぐれであり再現性は極めて低くなると言えます。

「準備」という言葉を聞くとイチロー選手がまず思い浮かび出されます。

彼曰く、「準備をするというのは、その日一日が終わった時に後悔をしない。言い訳の材料を作らない。一日終わった時に『あー、今日はあれをやらなかったな』とか『これをやっておけば良かった。』そういうことを一日が終わった時に思いたくないので、後悔しないためのものであると言えると思います。」

準備とは言い訳を排除することとも言えます。

戦略においては、この準備が大変重要で仕掛けが出来ているか否かとなります。準備を軽視する人、段取りを考えずに場当たり的に事を行う人は、「散歩のついでに富士山に登ろうとしている。」と言えるのではないでしょうか。

戦略経営の要諦として、これらの段取り、仕掛けを準備して、新しいお客さん、継続していただくお客さんに喜んでいただくための接点を幾重にもつくっておくこととなります。

これを称して戦略システムと言います。どの社員でも一定の成果があげられる仕組みです。

先のワールドカップにおいて日本代表の選手は、試合後に必ず「次に向けて、しっかり準備する。」と言っていました。

あなたの会社は、戦略的仕組みが構築できていますか? 是非、点検されてみてはいかがでしょうか。