戦略日記

引き算でクオリティを高くする #117

引き算でクオリティを高くする #117

お客さんが見てクオリティが高いと思わなければ、商品やサービスの価値が認められません。

お客さんは、目に見えないものやまだ知らないものを感覚的に確認したいと思っているからです。目に見えないものやわかりにくいものには不安を覚えます。人は、目に見えるものを通して、見えない品質やクオリティの高さや拘りを推測するからです。

見た目が良ければ、品質やクオリティが高いと判断されやすくなります。

逆に、見た目が悪ければ、品質やクオリティも良くないのではないかとなってしまいます。すなわち、お客さんから目に見えるもの全てがクオリティの高さの手がかりとなります。

ではクオリティに拘り、これを高めるためにどうすれば良いのでしょうか。必要な考えは引き算をして時間の量を増やすことです。

経営資源の少ない中小企業が多くの事業や商品・サービスを展開している場合、一つ一つのクオリティを高めるための費やす時間が少なくなってしまいます。一方、引き算戦略によって、一つに集中して事業や商品・サービスを展開していれば、多くの時間を費やすことが可能となります。

前者の場合、拡げれば拡げるほど時間は足りなくなり、希釈化していきます。クオリティが下がっていってしまうことになるわけです。

経営現場において、社長以下、全社員が時間をいかに多く作れるかという点を常に意識して環境をつくっていくことが肝要です。

確保した時間を、どの仕事に対して、どれだけの時間を配分するかがライバル会社との競争において優位に立てるからです。

社長にとって最も重要な仕事は、ライバル会社と競争の勝ち方の「経営戦略」になるので、社長が経営の実行力を高めるには、経営戦略の仕事に対して大量の時間を投入しなければいけないのです。

クオリティを高めるには時間の絶対量を多くする必要があり、「やらないことを決める。」引き算が基軸となります。