戦略日記

いつまでも状況が変わらない経営者 #121

いつまでも状況が変わらない経営者 #121

「新しいサービスを始めよう。」「差別化を図らなくてはいけない。」など、何かの事を為す時に、いざとなると一歩が踏み出せない経営者を見受けます。

「拡げすぎた事業を引き算で絞り込む必要がある。」確かにそうかも知れないと頭で理解していても「うちの会社の場合は別物で、せっかく拡大してきたものをカットして絞り込むとは勿体ない。」という思考の循環から抜け出せないようです。

人は誰しも自分を例外にしたいという悪い癖があります。この悪い癖が思考習慣の中心となってしまい、体裁の良い言い訳が連発する現象に陥ってしまうようです。

他にも年間を通して優柔不断な経営者も存在します。

例えば、年度末の3月末までに決めないといけない事に対して、「今は忙しいから5月の連休が終わったら決めよう。」と先送りをして、5月の連休が終わってみれば、「6月の終わりまでにしよう。」となり、6月が終わると「暑くなってきたので、秋の涼しい時期になったら決めよう。」と更に引き延ばしていくタイプです。

このような言い訳をする本質的な原因は、決断しないからです。要するに、いつまで経っても迷っているから決められずにいると感じます。

優柔不断な経営者にはとても耳が痛い話ですが、自分の業界はこうだから、この地域はそうだから、自分の会社はあれなのでと様々な例外づくりに明け暮れるようです。

人は「変わらなきゃいけない。」と思っていても、気持ちのどこかでは「変わらなくても、このままでいい。」と変化を拒む性質もあります。

時間は永遠にあるわけではなく一日24時間と有限です。

このようなタイプの経営者は、決断を常に後回しにするので、気づくと2-3年、場合によっては5-6年経っても会社の状況は何一つ変わらず、スローガンだけが先行していることが多々あります。

無い物ねだりのように、ただただ状況が変わることを望んでいるようです。