戦略日記

目標にはゴールが必要 #169

目標にはゴールが必要 #169

目的と目標を混同している経営者は少なくありません。目的と目標はどちらも「目指すもの」という意味ですが、目的は最終的な到達点であり、目標は目的達成のための指標を指します。

目的とは、その字にも使われているように「目」で見える「的」のことです。「的」という言葉を使用するだけあって、「目的」は最終的に到達したい部分のことを指します。

目標とは、「目」で見える「標」であり、「目」で見た時に、その「的」に近づいているかの「標」となるのが「目標」です。目的という最終的なゴールに向けて、その間に設定される小さな指標のことを指します。

要するに、「目的」というゴールがあり、それに到達するまでの過程に立てられるものが「目標」となります。そのため目的は長期的なもの、目標は短期的なものに設定されることとなります。ゴールは、具体的で測定可能にして、期限を持つことが重要です。

経営において最も重要なことは目的を明確にすることとなります。組織が人の集まりをベースとしたものと考えるならば、それは何かを目指して集合した人の団体と言えます。ただ単に集まっただけではないはずであり、組織には、必ずゴールが必要となります。旅をする時は必ず目的地があって、どのような道のりや行程で行くのかという目標があるのと同様です。

目的と目標の違いがわからなければ、目的(ゴール)が明確に設定されることもなく目標も曖昧になってしまいます。とかく目標と言えば、売上目標などが真っ先に思い浮かびますが、経営全体でいえば一部における指標となります。

最初に目的(ゴール)を定めない限り、経営に置き換えれればゴールのないマラソンをひたすら行っていることとなり、社長以下すべての組織構成員が疲弊することは必定です。

ランチェスター戦略では、目的は「1位づくり」目標は「事業ドメイン、戦略の設定」と明確に定義されています。経営者が目的と目標の混同によって、勇ましく壮大なスローガンだけで終わらないようにしなくてはいけません。次から次へと目標だけを掲げて検証が出来なければ、正に絵に描いた餅となります。