戦略日記

未来の結果は今日の原因で決まる #304

未来の結果は今日の原因で決まる #304

私は、経営は「原因と結果」だと思っています。今の売上も、利益も、お客の数も、突然そうなったわけではありません。良くも悪くも、これまで経営者が何を考え、何を決め、何をしてきたか。その積み重ねが、今の結果として表れているのだと思います。

だとすれば、半年後、1年後、数年後に良い結果を出したいのであれば、その原因は「今」つくらなければなりません。売上が落ちてから営業を強化する。利益が出なくなってから値上げを考える。お客が減ってから新規開拓を始める。競争が激しくなってから差別化を考える。これでは、どうしても後手に回ります。

追い込まれてからの経営は、選択肢が少なくなります。時間もない。お金もない。心の余裕もない。すると、本来なら選ばないはずの一手まで選ばざるを得なくなる。だから私は、「準備の総量で成果が決まる」と考えています。

では、準備とは何でしょうか。予定を立てる。資料を揃える。段取りを整える。もちろん、それも準備です。しかし、経営における準備はもっと深いものです。準備とは、未来に良い結果を生み出す「良い原因」を、今つくることです。

さらに、もう一つは、準備とは、言い訳の材料となり得るものを、あらかじめ排除しておくことです。「時間がなかった」「人がいなかった」「景気が悪かった」「競合が強かった」「忙しくて考える余裕がなかった」結果が出なかったあとなら、理由はいくらでも見つけられます。

しかし、経営者の仕事は、結果が出なかった理由を説明することではありません。結果が出ない原因を、結果が出る前にどこまで潰しておけるか。ここに準備の本質があるのではないでしょうか。

人が足りなくなりそうなら、先に採用を考える。原価が上がるなら、先に価格を見直す。お客が減りそうなら、今からお客づくりを始める。競争が激しくなるなら、戦う場所を変え、客層を絞り、商品を磨く。そして何より、経営者自身が戦略を学び続けることが肝要です。

どこで戦うのか。誰をお客にするのか。何に経営力を集中するのか。そして、何をやめるのか。これを決めておくことも、未来への重要な準備です。

私自身、長く経営をしてきて、「もっと早く手を打っておけばよかった」と思うことは一度や二度ではありません。振り返れば、悪い結果は突然起きたように見えて、その前には小さな兆候がありました。

見えなかったのではない。見ようとしていなかった。あるいは、分かっていながら先送りしていた。経営には、そんなことが少なくありません。

だから準備とは、単なる段取りではなく、経営者の姿勢そのものだと思うのです。誰も未来を完全に予測することはできません。しかし、備えることはできます。良い原因を一つでも多くつくる。そして、自分が将来口にしそうな言い訳の材料まで、先に排除しておく。

その積み重ねが、半年後、1年後、数年後の差になるのではないでしょうか。準備の総量で、成果が決まります。未来の結果を変えたければ、今日の原因を変える。経営者にとって準備とは、望む結果につながる原因を、今日どれだけつくれるか。その問いを自分自身に持ち続けることなのだと思います。