戦略日記

市場が縮小すると弱い会社からなくなる #24

市場が縮小すると弱い会社からなくなる #24

市場が拡大している時には、無投票当選と同じようにどんな会社でも上位企業の影響を受けることなく、同じように伸びていけます。昔の高度経済成長期のように市場での需要が供給をはるかに上回るからです。

人より多くの時間を働き、汗を流せば儲かる時代でした。わかりやすく言えば、経営者も特段、勉強しなくても「ガッツ」と「ど根性」とスタッフのマンパワーがあれば、誰が経営してもそこそこ利益が出せる状態でした。

しかし、今は顧客、市場のニーズは多様化、細分化しており、提供する企業の商品・サービスはどんどん増えています。市場の拡大が止まると事情は一変します。それぞれの会社が均等に小さくなって、弱い会社から先に消えていくことになります。パレートの法則が働いていますので、一緒に手をつないで走ることは出来ますが残念ながら一緒にゴールすることは出来ないのです。

弱い会社が持っていたお客は上位の会社が奪い、強い会社だけが残っていきます。これが企業間競争の原理であり、厳しい現実なのです。悲しいことに物理の法則なので、好きだろうと嫌いだろうと法則として必ず作用しています。

どの産業あるいはどの市場も基本的には少数の企業による支配、「寡占化」に向かいます。昔あった街の家電屋さんが少なくなり、大型家電量販店が台頭してきました。今では、インターネット通販会社が乱立して、コモディティ化が進み大型家電量販店でさえも苦戦しています。

寡占化は、市場規模の大きな日用品、消費財など大量生産品を扱う業種や、都市部ほど早く起こり始めます。

日本は人口減少という構造的問題を抱えています。30年間、所得も上がっていないのですから国内市場は、ますます縮小していくことになります。人口減少率は年を追うごとに急速に高まり2050年には今より2割減の1億人くらいだと予測されています。

戦術ばかり工夫しても、その場限りの対応となります。ゲームセンターにある「もぐら叩きゲーム」と同じで、永遠に叩き続ける経営となります。これでは経営資源が少ない中小企業は、疲弊するのみで後は、時間の問題となってしまいます。

戦略なくして生き残れません。
1位をつくるのに4-5年はかかるので早めの取り組みと継続の学びが必須となっていきます。