戦略日記

地域戦略は勝ち易きに勝つ発想で行う #27

地域戦略は勝ち易きに勝つ発想で行う #27

ランチェスターの3大戦略のうちで最も早く実践できるのが地域戦略です。このウェイトは57%に及びます。ランチェスター戦略を知らない経営者は、四六時中、商品やサービスばかり考えています。

地域戦略こそ差別化の切り札であり、弱者として1位づくりの原点となります。地域とは、営業範囲、商圏というビジネスにおける土俵(戦場)です。自社が戦っている戦場を知らずして相手(競合他社)と戦えるでしょうか? これは社員に武器や装備もなく丸腰で戦場へ突撃命令を出している事と同じになります。逆説的にいえば、戦場に精通しているほうが勝ち、精通していなければ負けてしまうのです。

先ずは、戦略の重点化として、中心、重点、範囲の設定をしっかりと行います。この際、情報収集から始めます。地域情報として、人口・世帯数・産業特性・成長性・市場構造・市場特性などです。これらを分析して、最も「勝ち易きに勝つ」の発想で重点地域を決めていきます。要は、自社の経営資源を集中投下して、ここならNo.1になれるというエリアです。強者の目が行き届かない「死角」をつくることになります。

わかりやすくいえば、都心部ではなく田舎町や幹線道路から外れている地域、半島、ぽつんと離れた港町、山間などです。競合他社が少ないところを狙うのです。田舎や辺鄙な地域は、市場が小さいので強者の死角となります。仮に競合が現れても「一騎打ち戦」で戦えるので弱者向きの市場と言えます。

事実、私の知っている美味しい蕎麦屋が岐阜県の荘川にあります。山の中の蕎麦屋ですが、ひっきりなしにお客さんが来て、いつも行列ができています。勿論、味は最高に美味しいですが価格は高めの設定がしてあります。周りには競合がいないのです。

人の行く裏に道あり花の山。
華やかな表街道ばかりに目が行きがちですが、死角となる裏街道にも綺麗な花が咲いているエリアがあるのです。