戦略日記

社長は強い願望を持て #31

社長は強い願望を持て #31

経営の目的は1位づくりです。
何かのカテゴリで1位になること。それもダントツの1位です。しかしながら1位は簡単になれるものではありません。最低でも4-5年はかかるので社長は強い願望を持つ必要があります。これをもとに戦略思考を習慣化するよう学び続けなければなりません。

競争条件が不利な会社は、営業活動はもちろん、資金の調達や人の採用などで「いつも苦戦」するので、つい弱気になってしまいます。こうなると、社長の思考スイッチが、常にマイナス側に入ったままになってしまいます。

何か問題に当たっても深く考えもせず「できない、無理だ」または「とりあえずやってみよう」と安易な結論を出してしまいます。その後、140億個ある脳細胞を使い、できない理由を考え出すのに努力するようになります。このようなことを何年も続けていると、できない理由をトラック1台分ほど、すぐに集めてしまいます。(1台では足りない社長もたくさんいます)

こういう社長は「我々の業界は、こうだ。ああだ。特殊だ。」「この地域はダメだ。」「コロナ禍だからどうしようもない。」などと言っている人が多いです。
社員も社長を見習って、できない理由をとても上手に説明するようになります。競争条件が不利な会社が、ほどなく社名が順番に世の中から消えていくことになるのです。事実、毎年多くの会社がこうなっています。140億個ある脳細胞は戦略に使うことで効果は高まります。

戦略思考をもとに強い願望を持つ
願望とは神様、仏様に願掛けするような強い望みのことを言います。経営規模は小さいが、何としてもカテゴリ1位をつくり、社員一人当たりの粗利益を業界平均の2倍から4倍にして、内容が良い、立派な会社にすることです。これ無しでどれだけ「社員を幸せにする。」「社会に貢献する。」と理念を高らかに掲げても「嘘」や「寝言」になってしまいます。

もともと、どの会社も「固定給なしの完全歩合給」と同じことで運営されています。しかも囲碁や将棋、プロスポーツの野球やゴルフなどと同様に、ハンディなしの「完全実力主義の世界」で存在しています。
さらには、業績が悪くなっても政府はもちろん、銀行も助けてくれません。大企業は業績が悪くなった時、何千億円の借金を放棄させてくれますが、中小企業はそうしてもらえません。

社長は向上心を高める
社員5人までは業績の100%
30人までは、業績の98%が社長一人の戦略実力で決まります。業績の根本原因は社長の戦略実力にあり、結果が業績となります。無から有は決して生じないように、社長の戦略実力を高めないで業績だけ良くする方法はありません。人事評価制度や賃金制度もありますが、これだけ(戦術)で業績が良くなることはないのです。

こうしたことから、社長は常々、強い向上心を持ち、自分の戦略実力を高める勉強をし続けることが極めて大事になります。目的、目標、戦略、仕組みの4つを合わせた広義の戦略が経営全体の86%を占め、会社の業績に大きく影響します。残りの戦術は僅か14%しかありません。

社長には実力テストがないので、自分と自社の実力レベルが不明です。戦略と戦術の区別がつかないので弱者の戦略と強者の戦略の使い分けがわからず、いっこうに成果が出ないままになってしまいます。よって更に流行である目先の戦術経営、ノウハウ経営に頼っていくようになってしまいます。社長の強い願望で戦略経営を行うか否かで会社の運命が決まります。