戦略日記

勝つための5つの法則 #41

勝つための5つの法則 #41

勝を知るに五有り。此の五者は勝を知るの道なり。
孫子の兵法の一説ですが、勝算を見るには五つの条件があります。
(1) 戦うべきか戦わないべきかを判断出来れば勝つ。
(2) 兵力の大小に応じた戦い方が分かっていれば勝つ。
(3) 上下の意思の統一が出来ていれば勝つ。
(4) 万全の態勢にして敵の準備不足に付け込めば勝つ。
(5) 将軍が有能で君主が余計な干渉をしなければ勝つ。

これらの五つは、現代の企業経営に充分当てはめることができます。
経営において、力を入れる攻め時や無理をせずに守りを固める時の見極めが重要となります。そもそも勝てない戦いはしないというのが孫子の兵法です。

経営は自社だけの問題ではなく、市場、環境、競合、顧客など多くの要因が絡んで勝敗、業績に大きな影響を及ぼします。ただ、闇雲に頑張っていれば良いというものではなく、あえて退く時があっても然るべきといえます。

多くの小さな会社が犯す間違いに、大企業の真似をしようとしていること。または成功した企業の事例を追従していくこと。成功事例の大半は、大企業であったり経営の本が大企業向けに書かれていることが多いので、中小企業経営者がそのまま自社に持ち込もうとすることがあります。

これは大きな間違いで小さな会社には小さな会社のやり方があります。
さらに、経営者と社員の間で、企業の経営目的や理念、将来のありたい姿(ビジョン)が共有できているか。何のためにやっているのか。仕事の目的は何なのか。これらが新入社員がわかるほど明確になっていなければいけません。これらが大切といっている中小企業は多くありますが、具体性に欠けている例は多々あります。

ベクトルの向きが違えば、個々は頑張っている状態でも全体の力にはならないのです。経営の目的、経営の目標、戦い方など広義の戦略をハッキリさせることに尽きます。

事前にじっくり考え、仕込み、準備しておくから小さな会社が勝ち残ることができるのです。ロクに準備や段取り、計画、工夫もなく「とりあえずやってみよう!」「当たって砕けろ。」で経営をしていては、本当に砕け散ってしまうのは時間の問題となります。たまたま良くなったとしてもそれは運が良かっただけなのです。これでは経営とはいえません。再現性があるか否かが重要です。

最後に有能な経営者は、現場に過剰介入して口を出さなくても済むように、戦略を根幹にして現場を任せられる幹部や社員を育む必要があるのはいうまでもありません。戦略経営者になり戦略企業を創っていきましょう。