戦略日記

弱者は役職と組織階層を少なくする

弱者は役職と組織階層を少なくする

戦略経営を実行していく為には、構築した戦略に社長以下、全社員が向かっていかなければなりません。

この際、中小企業が注意したいことは、組織を極力シンプルにすることです。
社長の重要な役割となる広義の戦略(86%)をしっかりと設定し、戦術リーダーの役割をハッキリとさせなければいけません。今までと同じやり方で経営していれば、人が増え、人件費は増えるのに、生産性(一人当たりの粗利益)は一向に上がらないという結果になります。

部長、課長、係長、主任など役職者の数が過剰になることに注意して、組織全体を軽装備にすることです。大会社を真似て、必要以上に役職者の数を多くしているようでは、組織として機能が低下し顧客へのスピード対応ができなくなります。

組織階層を多くすると、階層数の2乗に反比例して情報が伝わらなくなります。情報が正しく伝わる確率は、直接指示の2階層組織を1とすると、3階層であれば2の2乗で4分の1となり、4階層になると9分の1になってしまいます。

伝言ゲームというものがあり、誰もが一度は体験したことがあるかと思います。
二人、三人、四人と伝言が進んでいくと最初の人が話したことと全く違っていきます。大切な情報が抜け落ちる。情報が変形する。情報の存在すらなくなる等、十人も進めばとんでもない情報になってしまいます。(世間の噂話もこの類いです)

弱者が多い中小企業では社員10人未満の会社は1階層とし、社員10人以上30人以下は2階層。社員30人以上100人以下は3階層とするのが原則です。

1階層はチーム型組織となり、社長は戦略、展開、戦術の3つの役割を同時に担わなければなりません。10人を超えてくると、戦術係をまとめる戦術リーダーが必要になってきます。30人を超えてきて初めて3階層を検討するようにします。

社員が10人くらいになると少しは会社らしくなってきますので、社長室をつくったり、○○課など壁や仕切りをつくって体裁をよくするケースを見受けます。本来の経営の目的や目標、組織の本来の機能などがわからずに役職をやたらとつけたがる社長もいます。

過去に「最近、社内の風通しが悪いので、どうしたら良いでしょうか?」と経営者から相談を受けたことがありました。会社を訪問して見てみると、案の定、事務所の中は壁だらけになっていました。

「社長、壁が多すぎますね。これでは物理的にも風は通りませんよ。」と進言させていただきました。その後、この社長は壁を全部取っ払い、ワンフロアの事務所にして風通しが良くなったことは言うまでもありません。

弱者が強者と同じように重装備の経営をしたのでは動きが鈍くなり、兵力数の多い強者に包囲されて集中砲火を受けることになり、時間経過でほどなく業界から消えていくことになります。

弱者は、ひたすら軽装備を心掛け、動きの早さによって経営資源の不足をカバーし、強者の経営システムを無力化するくらいの気迫をもって知恵を絞り出す必要があるのです。