戦略日記
経営の原点は志にある #292
初の勉強会として「志経営塾」が開講しました。この塾を立ち上げた理由は、経営の技術やノウハウだけでは、本当に強い経営者にはなれないと思うからです。戦略も大切。財務も大切。マーケティングも大切。しかし、そのすべての土台となるものが志や使命、理念だと思います。
「何のために経営をするのか」という問いです。売上を上げるためか。利益を増やすためか。もちろん、それも必要です。だが、それだけでは苦しい時に踏ん張れないと思います。人は、大きな目的があるからこそ前に進めるのではないでしょうか。
ランチェスター戦略においても、経営の要因の中で最もウェイトが高いのは、。経営理念や社長の志といった「意思決定要因」であり、そのウェイトは53%もあります。どれだけ優れた戦略を学んでも、どれだけ優秀な戦術を実行しても、その根底にある考え方や生き方が定まっていなければ、長期的な成果にはつながりません。
志経営塾の第1回では「志と使命」をテーマに学び合いました。この二つは似ているようで、本質的には異なるものです。志とは、「何のために生きるのか」「何を実現したいのか」という人生の目的とも言えます。自分の利益や損得を超えた願いであり、生涯をかけて追い求める方向性です。
一方、使命とは、その志を実現するために果たすべき役割です。志が目的なら、使命はそのための実践の位置づけとなります。志があるから使命が生まれる。そして使命を果たし続けることで、志は少しずつ現実になっていきます。
私にも一つの志があります。ひと言で言えば「99%以上を占める中小企業を良くしたい」ということに尽きます。日本を支えているのは中小企業であり、地域を支え、雇用を生み、人々の暮らしを支えています。
しかし現実には、多くの中小企業が価格競争や利益不足、人材不足に苦しんでいます。良い商品や技術を持ちながら、正しい戦略を知らないために埋もれている企業も少なくありません。私は、そんな中小企業が元気になることで地域が元気になり、その積み重ねが日本を元気にすると信じて止みません。
そして、その志を実現するための使命は、「中小企業をカテゴリNo.1に導くこと」です。自社が勝てる市場で一位を目指す。カテゴリNo.1になることで選ばれる企業になる。選ばれるから利益が残る。利益が残るから社員を守れる。社員が育つから地域に貢献できる。その結果として企業は永続していきます。
経営者には、それぞれの志があるはずです。しかしながら何となく漠然としているのが実態だと感じます。まずは、その志を見つめること。そして、その志を実現するための使命を明確にすること。
今回の志経営塾では、参加者一人ひとりが自分自身と向き合い、自らの人生や経営について深く考える時間となりました。普段は経営課題や数字、目の前の問題解決に追われる経営者が、立ち止まって「私は何のために経営をしているのか」を見つめ直す姿が印象的でした。答えはすぐに見つからないかもしれない。しかし、その問いを持ち続けること自体に大きな価値があります。
志が定まれば、人は迷わなくなります。使命が明確になれば、行動に意味が生まれます。経営とは、志を実現するために使命を果たし続ける旅だと思います。志経営塾では、そんな経営の原点を参加者と共に見つめ直していき、曖昧だったものを明確にし根拠ある経営の土台づくりを進めていきます。