戦略日記

人は「読まない」「信じない」「行動しない」 #291

人は「読まない」「信じない」「行動しない」 #291

経営者はよくこう言います。「ホームページに書いてあるのに」「チラシを配ったのに」「SNSで発信しているのに」しかし、思ったほど反応がない。問い合わせも来ない。紹介も増えない。売上にもつながらない。その答えは、人間心理の本質にあります。見込み客には、三つの壁が存在します。

第一の壁 人は読まない

私たちは、自分が思っている以上に情報を読んでいません。毎日、大量の広告やSNS投稿が流れてきます。その中で、多くの人は数秒で判断し、読み飛ばしています。つまり、「良いことを書けば読んでもらえる」という前提そのものが間違いなのです。

第二の壁 人は信じない

仮に読んでもらえたとしても、次の壁があります。それが「信じない」という壁です。「高品質です」「地域No.1です」「お客様満足度1位です」そう書かれていても、多くの人は簡単には信じません。なぜなら、自社の宣伝だからです。人が信じるのは、お客様の声や実績、事例、第三者評価、具体的な数字などの根拠です。

特に中小企業は、大企業のような知名度がありません。だからこそ、地域で実績を積み重ね、小さな一位を作り、信頼を獲得していくことが重要になります。

第三の壁 人は行動しない

さらに大きな壁があります。それは、信じても行動しないことです。セミナーで感動した。本を読んで納得した。良い話を聞いた。それでも、多くの人は行動しません。人間は変化を嫌う生き物だからです。現状維持の方が楽だからです。

だから経営においては、「分かりました」ではなく、「では何をするのか」まで設計しなければなりません。

読めば分かるという幻想

経営者が陥りやすい落とし穴があります。それは、「見たり、読んだりすれば分かってくれる」という幻想です。しかし現実は違います。人は読まない。人は信じない。人は行動しない。まずはこの現実を受け入れることです。すると、広告も営業も採用も、伝え方そのものが変わってきます。

そのヒントが4Uの法則です。

Useful(有益性)
それは自分にとって役立つのか。

Urgent(緊急性)
今やる必要があるのか。

Ultra Specific(超具体性)
曖昧ではなく具体的か。

Unique(独自性)
他との違いは何か。

この4つが揃うほど、人は反応しやすくなります。経営者は商品づくりやサービス改善に力を注ぎます。もちろん大切です。しかし、それと同じくらい大切なのが狙っている客層に対する「伝え方」です。

経営者は商品づくりやサービス改善に力を注ぎます。もちろん大切です。しかし、それと同じくらい大切なのが、狙った客層に対する「伝え方」です。どれだけ良い商品でも、知ってもらい、信じてもらえなければ選ばれない。行動してもらえなければ売上にならない。

見込み客には、「読まない」「信じない」「行動しない」という三つの壁があります。だからこそ経営者は、何を伝えるかと、どこの誰に、どう伝えるかを考えなければなりません。戦略とは、単なる競争の理論ではなく、人の心を理解し、相手に伝わる仕組みをつくることでもあるのです。