戦略日記

学びは使うためにある #303

学びは使うためにある #303

先日、とても嬉しい出来事がありました。戦略社長塾でランチェスター戦略を学んだ、ある女性経営者がいます。彼女は地域のガス屋さんの広告・販促に携わっており、現在、業界誌で連載コラムを書いています。その記事を見せてもらいました。

タイトルは、「選ばれ続けるガス屋さんをつくる」そこには、戦略社長塾で学んだことが、単なる知識としてではなく、地域のガス屋さんの経営に置き換えられて書かれていました。「ガス屋」ではなく「暮らしの相談役」になる。安心と信頼をどう伝えるか。地域のお客さまから、いかに身近な存在として認識されるか等など。

読んでいて、大変嬉しくなりました。学んでくれたことではなく、実践してくれていることが嬉しかったのです。経営の勉強は、学ぶだけなら簡単にできます。しかし、経営はそこで終わりではありません。むしろ、そこからが始まりです。学んだことを自分の仕事に置き換える。現場で試してみる。うまくいかなければ修正する。そして、もう一度やってみる。

知識と実践の間には、思っている以上に大きな溝があります。ランチェスター戦略には、「弱者の戦略」「一点集中」「差別化」「接近戦」「地域戦略」など、さまざまな原則があります。
しかし、「地域戦略が大切です」と言えることと、自分が関わるガス屋さんに「では、この地域でどうやって一番になるのか」と考えることは、まったく違います。そうやって原理原則を現場へ落とし込んで、初めて戦略は生きてきます。

私はランチェスター戦略を伝える仕事をしています。これまでも「勉強になりました」「分かりやすかったです」と言っていただくことはありました。もちろん、それも嬉しいことです。しかし、今回改めて分かりました。私が本当に見たいのは、その先なのです。

「新井さん、やってみました」この一言ほど嬉しいものはありません。しかも今回は、自分で実践するだけではなく、自分の言葉に置き換えて、業界誌を通して顧客のガス屋さんへ伝えていらっしゃいます。そして、さらに嬉しい報告がありました。「ランチェスター戦略を学んで、過去最高の業績になりました」と、とても喜んでいらっしゃいました。

私にとっても、これほど嬉しい言葉はありません。しかし、過去最高の業績をつくったのは、ランチェスター戦略を「知った」からではありません。学んだことを自らの経営に置き換え、実践されたからです。そのことが何より素晴らしいと思いました。

学びが実践になり、実践が自分の言葉になり、その言葉がまた誰かの実践につながっていく。教えたことが、その人の中で生き始めている。これは、私の志が一つの形になったとも言える、無上の喜びです。

今回の記事を読みながら、私自身も初心に戻らせてもらいました。戦略は、知っているだけでは会社を変えない。実践して初めて、会社を変える力になる。だから私は、これからも「分かりました」で終わる勉強ではなく、「やってみました」が生まれる学びをつくるよう精進したいと思います。

一人でも多くの経営者が学びを実践に変え、その実践が地域の会社を強くしていきます。そのために、これからも「学んで終わり」ではなく、「実践につながる学び」を伝え続けていきたいと思います。

一望千里株式会社 新井雅樹