戦略日記

価格維持が逆効果になる

価格維持が逆効果になる

先日、ランチで久しぶりに馴染の店へ寄りました。

この店は、大変美味しくいつも繁盛しています。

いつもながらランチメニューを注文して、料理が運ばれてきました。
すると、「…。」

いやしい話ですが、野菜サラダの量が今までと比べて明らかに減って、すずめの涙ほどになっていたのです。

ご多分にもれず、食料品を含めてあらゆる物価が高騰してきた中、ここの店としても何とか価格は上げずに維持していきたいという涙ぐましい努力をしていると予想できます。

もちろん、お客に善かれと思って行っていると思いますが…

この店のファンは多いはずです。私もその中の一人として残念に感じました。

約30年間続いたデフレ経済の中で刷り込まれてきた、「物は安く、たくさん売ろう。」「売上をたくさん上げよう。」という思考が一般的でした。

様々な経営の勉強会においても「売上を上げよう。」というテーマで議論されることが多いかと思います。

ドライな眼で考えてみると、この店の場合は「売上を維持するためにクオリティを下げた。」という見方ができます。

特に食べ物商売の場合、お客は敏感です。

味の変化は勿論のこと、料理の中身などお客は素早く反応すると思います。

後日、たまたま店の前を何度か通りかかったのですが、今までは常時、駐車場は満車であったのに僅かな車の数になっていたのです。

デフレ経済は終焉しました。

数は減らしても単価を上げることが重要となります。

当然ですが売上は、単価×数量です。

売上を上げるのではなく、粗利益を上げていくようにしないとクオリティを高めるどころか維持すら出来なくなってしまいます。

この店の場合、たとえ価格が上がっても今まで通りの量(クオリティ)であればお客は満足すると思います。

満足度があれば「今のご時世、何でも高くなってきたから仕方がないね。」と納得されると思います。

「値上げしたんだ。」よりも「量(クオリティ)が減ったんだ。」の方が印象は悪くなるのではないでしょうか。

ランチェスター戦略における客層戦略の設定は重要ですが、これを除いたとしても「価格は下げるもので上げてはいけない」という思考から脱却し、今こそ価格を上げるチャンスが来たと割り切ることが大切だと思います。

ましてやクオリティが高いと自負しているのであれば更に大切です。

そうでなければ、クオリティを下げてしまうことで客数が減ってしまい経営は疲弊していくことになり、その先の結末が見えてしまいます。