戦略日記

根拠ある経営を実践する #104

根拠ある経営を実践する #104

競合他社が多い場合は確率的な競争になるのでパレートの法則が成立します。

経済的成果の80%は20%の要因から生まれているので、これによって順位評価した場合は100社中の1番から3番は「上位」の部となり、100社中の10番目といえば、上位の一角にいるので自慢できそうに思えますが、実際は「中位」の会社となってしまいます。

20番目となると「中の下」となり、40番目は「下」、60番目以下は「番外」となってしまいます。

こうなる根拠は、各社の社長の経営実力がその二乗に比例するからです。

戦略的な経営者は多くの競合や市場、経営事例を分析して研究し本質的なものを見出し法則化している特徴があります。

戦略のない戦術的経営者は、たまたま起きた一つの事例だけを勝手に解釈し法則として勘違いしてしまいます。

法則とは、将来の市場や外部環境などを見越して「このような条件(環境)の時に、こうすればこうなる。」と、ハッキリと言えるということです。

経営は細かく見れば非常に複雑で色や形がありません。

しかも時間と共に状況は刻々と変化していくので、なかなか言い切るのは難しく実際にやってみないと、分からないことの方が多いのも事実です。しかし成長している会社は闇雲に手を打っている訳ではありません。

何らかの根拠を持って「こうすればこうなる」と確信し、実行して実際に成果を得ており、このようなことを繰り返して会社を成長させています。

その時の根拠が、今までの経験や勘だけでは、多額の投資は怖くて出来ないはずで間違いや失敗になりやすい結果となってしまいます。

経営における収益源は、投資に対するリターンなので経営資源の少ない中小企業がこのような事を繰り返せば、経営は疲弊し結末は見えてしまいます。

よって戦略的な社長は、今までの経験を踏まえ、事例研究や原理原則を繰り返し学習し、自分が決断することに対し充分な根拠を得ようとします。

こういった経験と学習量から培った戦略思考によって、現象面では様々に見えることでも、目に見えない本質的なところに対しては一定のパターンやルールがあると気づき「原理原則」と照らし合わせて自社の経営戦略システムを確立します。

ここから発せられる言葉は、シンプル且つ論理的で切れのよいものとなっています。

「とりあえずやってみよう!」 「やってみないとわからない。」と思いと度胸と勘ですぐに行動することは大変危険で間違った実践となってしまいます。

曖昧なことを明確にする。社長は根拠を持たないといけないのです。