戦略日記

不易流行の経営 #105

不易流行の経営 #105

ランチェスター戦略は、今から約100年ほど前に物理の法則として発表されたものです。

法則は方程式と同じですので、好きだろうと嫌いだろうと知っていようと知らずとも万物に作用します。

少子高齢化が益々進み、人口は毎年減っており市場は縮小細分化されています。

経営は市場競争原理に基づき、競合との戦いとなりますので科学的、論理的な経営戦略と営業戦略が必須となっていきます。事実、トヨタをはじめパナソニック、ソフトバンクなどをはじめとする大企業は競争戦略、販売戦略を考えて、考えて考え抜き戦略構築を行っています。

1970年代前半に日本でランチェスター戦略が提唱されて半世紀以上が経過しているのに、何故、今なお有効であるかは、市場における競争の原理原則を説いているからです。

「昔は通用したが、今は通用しない。」 「大企業では通用するが、中小企業では通用しない。」 「あの会社(業界)では通用したが、うちには関係なく通用しない。」 これらは原理原則とは言えません。

原理原則や法則は、時代を超越し会社の規模や社員数の大小、あらゆる業種に関わらず通用するものです。

ランチェスター戦略は、「戦略定石」と言われています。

定石とは、囲碁や将棋で昔から研究され最善とされる決まった打ち方で、物事をするときに最上とされる方法や手順です。

経営を取り巻く外部環境は、刻々と変化していきます。世界情勢、経済情勢などなどビジネスも常に変化を続けています。

30年前から続いている「安く大量に売ろう。」などの経営の概念は通用しなくなっています。

不易流行という言葉があります。

松尾芭蕉が示した俳句の理念で、いつまでも変わらないものの中に新しい変化を取り入れることを指す言葉です。また、新しさを求めて変化をすること自体が世の常であるということを指しています。

ランチェスター戦略は「不易」と「流行」を併せ持つことが重要であり、普遍性が極めて高い法則なので中小企業に向いているのです。