戦略日記

属人的経営に依存しない #112

属人的経営に依存しない #112

属人化とは、特定の社員が担当している業務の内容や進め方が、当人以外では分からなくなってしまう状態を指します。

企業において担当社員が突発的に休んだ場合や退職した場合などに問題が顕在化します。

例えば、「今日は○○さんが休みなので、この業務は対応できない。」 「この件は○○さんの意見を聞かないと判断できない。」など予め経営を仕組み化しない限り、このような属人化は組織内で自然と生じてしまいます。

このような根本的原因は、経営自体に戦略がなく業務が体系化できていないことが考えられます。戦略があってこそ、業務をストーリーのように順序立てて展開することが可能となります。

戦略を理解していない経営者の思考パターンは、優秀な人材を採用して、研修などでモチベーションを高めて維持していけば収益は上がるという勘違いです。

確かに優秀な社員がたくさん存在してくれれば嬉しいことではありますが、誰もが一定の成果に繋げられる戦略的仕組み(ビジネスモデル)の構築が最も重要となります。

属人化による企業への影響は知識やノウハウが蓄積されないことになり、属人化によって業務や作業を特定の社員が大量に担当せざるを得ない状況になると、いずれ離職や退職をします。

知識やノウハウを抱えたまま離職、退職してしまえば、それが誰にも引き継がれぬまま知識やノウハウが失われてしまうことになります。結果的に業務に支障が出てしまい、顧客に迷惑を掛けることになってしまいます。

戦略とは「普通の社員で成果を上げる経営全体の仕組みづくり」とも言えます。

社長が真の役目を自覚して責任を持って戦略の勉強に取組み、良い仕組みをつくらない限り、社員の力でどうにかしようと思っても成果は部分的にしか出ません。

巷では、すぐに成果が出ると謳っている戦術セミナーが多数ありますが、会社を強くするには、社長の戦略思考の軸をつくる学習と研究は不可欠となります。

「企業は人なり。」の人とは、社長自身のことであり、誰よりも戦略を学び続けなければいけません。

戦術だけでは効果的な経営全体の仕組みはできません。どの社員でも成果に繋げられる再現性のある戦略経営を実践できてこそ「社員の幸せに繋がる」ことを肝に銘じたいものです。