戦略日記

起業や事業は最初が肝心 #144

起業や事業は最初が肝心 #144

「最初が肝心」「始めが大事」という諺があります。何かをするときは最初の段取りが大切で、最初に上手くやっておかないと結果に大きな影響を与えるということです。

「終わりよければ全てよし。」のように、始まりはどうでも、結果さえよければいいのだという意味の諺もありますが、最初につまずいてしまうと「幸先が悪い。」かと思います。初めをしっかりしておけば、のちのち困ることがないということになります。

これを経営に置き換えてみると、これから起業をしようとする人、会社で新規事業を立ち上げようとする場合においても「最初が肝心」です。では、最初に何をしなくてはならないのか。経営(事業)の全体像を掴むことです。経営は何で成り立っているかの要因を知り、地図を描くことが重要です。

「そのままでいいの!?」「いつになったらやるの!?」「失敗を恐れるな!先ずは行動!」などと経営者の勉強会で、とかく精神論で語られる場合が少なくありません。

会社を起こす時、新しい事業を立ち上げる時に中小企業でよくあるケースは、「とりあえず商品を仕入れられるので売ってみよう。」「とりあえず物件がお値打ちに空いていたから店を出してみよう。」「今は○○が流行っているから、売上を伸ばせるだろう。」「とりあえずSNSやブログを始めたら集客できる。」など、とにかく行動をしがちになります。

しかしながら、このような行き当たりばったりの行動こそが、後々に自分自身を苦しめ、従業員も巻き込んでいくことになります。最初は友人、知人などからのご祝儀相場もありますが、時間経過と共に思い描いたようにならなくなっていきます。知識がなく事業の始め方を間違えたばっかりに、「ずっと停滞してしている。」または「なかなか利益が出ない。」「赤字が続いている。」ということが起きます。

何故なら最初に戦略の設定ができていないからです。市場(お客)はどうなっているのか。競合他社との力関係はどうか。自社の経営資源や力はどうかを始めとして、どこの地域で誰に売るのかなど戦略のポジショニングが明確になっていないので当然、成功する確率は低くなってしまいます。

戦略が最初として肝心なので、後から戦術をあれこれ切って貼ってを繰り返しても何ともならないのです。最初が間違っているのです。巷では、創業からわずか10年の間に9割近くの会社が廃業、倒産すると言われています。

「戦略のミスは戦術でカバーできない。」と言われるように経営者には戦略を知り、学んでから実践(行動)することを必須とするくらい切に願います。「社員を幸せにする。」と言えば言うほど、これをどのように実現するのかを具体的に明示できるように…。