戦略日記
準備に準備を重ねる #297
メジャーリーガー・大谷翔平選手へのインタビューを見ていると、印象的なことがあります。常に、「しっかり準備して臨みます。」と答えます。
一流のアスリートほど、この言葉を口にします。なぜなら、結果は自分だけでは決められないことを知っているからです。しかし、準備だけは、自分の意思で積み重ねることができます。
一流は結果のみではなく、準備に責任を持っています。この姿勢は、経営にもそのまま当てはまります。先日、経営実践ジムの会員で、飲食店と取引をしている経営者が、こんな話をしてくれました。
「繁盛している店ほど、先を見越して計画的に注文が入ります。一方で、業績の厳しい店ほど、『今日中に持ってきて』『今すぐお願い』という突発的な注文が多いんです。」私は、この話に経営の本質を見ました。準備ができている会社は、未来を見ています。だから、仕入れも、人も、お金も、時間も、余裕を持って動かせます。
準備ができていない会社は、いつも目の前の出来事に追われます。慌てて判断し、慌てて動き、慌てて修正する。その積み重ねが、利益を削り、組織を疲弊させていくのです。 本番は、一瞬です。試合も、商談も、プレゼンも、セミナーも、会議も、実際に勝負している時間は全体から見ればほんのわずかです。その短い時間のために、何倍もの時間をかけて準備し、考え、検証し、修正を重ねます。本番を迎えるまでの準備こそが、仕事の本質なのです。
昔から「段取り八分、実行二分」と言われます。これは単なる作業の段取りではありません。結果の大半は、始める前に決まっている。そんな先人の知恵なのだと思います。ランチェスター戦略もまた、戦いが始まってから勝つのではなく、勝てる条件を整えてから戦うことを重視します。
仕事とは、目の前の仕事を片づけることではありません。未来を見据え、起こり得ることを想定し、先に手を打つことです。準備をする人には、余裕が生まれます。余裕は、冷静な判断を生みます。冷静な判断は、良い結果につながります。
成果は偶然ではありません。見えないところで積み重ねた準備が、目に見える成果となって現れるのです。成果は、準備の総量で決まります。