戦略日記

戦わずして勝つ

戦わずして勝つ

孫子の兵法で「善く兵を用うる者は、人の兵を屈するも、戦うに非ざるなり。人の城を抜くも、攻むるに非ざるなり。人の国を毀るも、久しきに非ざるなり。」があります。

これは非戦・非攻・非久といって、孫子が戦略の三つの基本としているものです。

非戦
これは、まずすぐに戦ってはダメですよ。よくよく考えて、戦わずに勝つ方法を考えなさいということです。

このために大事なことは、経営でも人生でも誰にも真似できない、自分にしかできないオンリーワンの分野を持つことです。勝てない相手とわかっていれば、好んで戦いを挑んでくるようなことは滅多にありません。

非攻
自分から力技で相手をねじ伏せるようなことをしてはいけません。勝てる相手であれば、なおさらこちらから仕掛けてはいけません。

戦争でいえば、兵糧攻めや水攻めなどで相手が追い詰められ内部から崩れていくのを待つのです。ビジネスにおいては、自社が圧倒的な力を持つことで、ライバルを不利な状態に追い込んでいくのです。

非久
もう争わないわけにいかなくなったら、戦いを長引かせてはいけないということです。

ビジネスの世界でも、争いが長引くと泥沼化して双方が疲弊するだけで不毛となります。はじめの段階で全力投入して、主導権を握って早いうちに切り上げることが重要です。

負けるが勝ちという諺があるように、当面は相手にわざと勝たせておいて、五年後、十年後に勝つという戦略を構築するのも賢者の手です。

例えば、少し前にタピオカブームがあり、「タピオカが流行っている。うちも遅れず、店を出して儲けよう。」と次々に出店がありました。最近では、餃子や鶏の唐揚げなどです。他にも似た事例は数え切れないほどあります。

これは、あえて自ら競争ひしめく市場へ参入して、同質化してお客掘り起こし係になっていくようなものです。

ブームだから流行だからと安易に行ってはいけないというものです。差別化という競争のない、戦わない状況を戦略としてつくっていくことが肝要です。但し、簡単に真似されることは差別化とは言えません。

他社が一斉に同じことをやろうとしたら真逆のことを行っていく。質の高いオンリーワンになることが戦略経営なのです。戦わない、競争しない世界をつくることです。