戦略日記

一点集中主義で成果を出す #81

一点集中主義で成果を出す #81

弱者の戦略に一点集中主義があります。
これは、ランチェスター戦略における核心となる考えです。

経営の目的は、1位づくりにありますので特定の地域・客層・商品において、突出した1位になることを明確に定めることです。それもダントツ1位にならなくてはいけません。

ここでの1位とは、市場占有率(シェア)1位であり、顧客満足度No.1などの1位とは違います。

とかく人は、あれこれと目標を掲げてしまいがちです。

力を入れる目標がいくつもあった場合、自ずから力は分散してしまいます。物理的に何かに力をかけようと思えば、他のことは、力が入らなくなってしまうのは自然であり、誰もが経験しているはずです。

特に経営資源の少ない中小企業の多くは、目標をたくさん掲げた方が良いと思い同時並行で達成しようと力を注いでしまいます。

限りある経営資源でいくつもの目標に手を出してしまうとパワーは分散して、大切な社員は、疲弊を繰り返し業績成果はいつまで経っても上がらないどころか、時間経過と共に会社は経営危機に陥っていきます。

一点集中するとは何かをやめることであり、覚悟を決めることです。

人は、同時に二つや三つのことは出来ません。二つのことをやろうとするから両方ともうまくいかないのです。

例えば、新しいことを始める場合においても古いことをやめることです。

10個あることの2個をやめて、そのやめた2個の部分で新しいことをやる。古い2個をやめないで2個を増やしてしまうと12個のことをやることになってしまい、結局どれも中途半端となり散々な結果になってしまいます。

まずやめてから始める。こうすると一点集中しやすくなります。

人生の時間も限られています。

やることを全てやる時間は限りなくあるわけではないのです。何を取り、何を捨てるかを決断することです。

イメージとしては、キリで穴を開ける如く、また虫眼鏡で光を集めて紙を燃やすようにです。

経営は市場競争原理に基づくライバル会社との戦いです。基本は、とにかく戦力を分散せずに一点集中し、社長以下、全社員が設定した地域、客層、商品に全力で集中させ成果を出すことが大切です。