戦略日記

経営が思い通りにならない訳 #82

経営が思い通りにならない訳 #82

会社を創業した時を思い起こしてみましょう。
起業したきっかけは何でしたでしょうか。

「自分が修業して得意としてきた技術だから。」
「機能的な商品だから絶対に売れると思ったから。」
「業界を変えてみたいと思ったから。」
様々な理由があったと思います。

中には、「独立すれば、勤めていた時よりお金が儲かると思ったから。」という人もいるかも知れません。

いずれにせよ、自分が会社を起こして経営すればバラ色の世界が待っていると意気揚々とスタートした人が多いかと思います。

しかしながら現実は甘くはなく、厳しい世界が待ち受けています。

商品やサービスは思っていたほど売れず、業界を変えるどころか逆に飲み込まれてしまう企業は少なくありません。お金を稼ぐことも思うようにならず、何とか売上をつくるのが精一杯で利益を出せず、赤字が続いている…

全国の普通法人の中で赤字企業は約70%になっています。

自分で描いていたビジョンは遠ざかり、残念ながら文字通り夢のようになってしまいます。

なぜ、こうなってしまっているかというと競合ライバル会社が存在するからです。

市場にライバル会社がいなくて、自社だけであれば顧客を独占できて収益も集中するはずですが、ライバルが多数存在すればするほど収益は落ちてしまいます。

しかも市場競争原理が働いていますので、パレートの法則により収益は均等にならないのです。

このようなことはわかっているつもりでも、実はわかっていない経営者は数多存在します。

どんなに意気盛んにビジョンを唱えても、市場は顧客、競合、自社の三者間における関係性で動いています。

この中で特に重要な要素は競合です。

競合は、どこにいるのか。どれくらいの数が存在しているのか。どのような顧客を対象として、どんな商品を展開しているのか。企業規模(収益や社員数など)は、どれくらいの力を持っているのか。自社と比べてどうなのか。

これらを常に把握して分析することが必要不可欠です。

市場占有率が高い強者企業は、たちまち弱者企業を包囲してしまうので悪戦苦闘が続いてしまうのです。自分よがり、自社視点だけで上手くいくことなどあり得ないのです。

新しくコトを起こす場合でも参入障壁はどうかという観点が重要となり、「競合はどうなのか」いつも注視できる経営者になっていきたいものです。