戦略日記

忙しいを理由にする格好悪い社長 #261

忙しいを理由にする格好悪い社長 #261

勉強会に誘うと、「今、ちょっと忙しくて…」「落ち着いたら参加します…」「今は時間がなくて…」と口にする社長がいます。しかし、この言葉を聞くたびに思うのは、忙しいを理由にする“格好悪い社長”になってしまっていることです。

忙しいと言い訳するほど、経営者としての視座の低さと戦略の欠如が露わになります。忙しさの大元である時間は、本来コントロールするものであり、振り回されている時点で、経営者として大いに問題があるのではないでしょうか。

忙しいを理由に学ばない社長は、目の前の作業に埋もれ、判断が後手に回り、緊急対応ばかりに追われます。優先順位は曖昧で、本当に重要なことほど先送りにされ、結果として一年中「忙しい」が口癖になります。この状態は、戦術に溺れている典型であり、経営者として格好がつきません。忙しさは理由ではなく、戦略不足の“結果”にすぎないのです。

一方、成果を出す経営者はまったく反対の行動を取ります。彼らは“時間があるから学ぶ”のではなく、“学ぶために時間をつくる”。重要な予定は先に入れ、時間をブロックし、学びを優先的に確保します。だから判断力が磨かれ、段取りの質が上がり、結果として忙しさから解放されていきます。静かに勝つ経営者は、例外なく時間をつくることの価値を理解しています。

「落ち着いたら行きます」と言う社長ほど、落ち着く日は永遠に訪れません。なぜなら、落ち着く環境そのものをつくる戦略を学んでいないからです。学ばないから忙しい。忙しいからまた学ばない。これでは未来は変わりません。忙しさに追われ続けている社長は、実は自分の時間を他人に明け渡し、自らの未来を放棄している状態と言っても過言ではありません。

結局、忙しいを理由にする格好悪い社長から抜け出す唯一の方法は、自ら時間を確保し、学びを最優先に置くことです。戦略を学ぶ時間をつくれば、行動が変わり、判断が変わり、経営が変わります。忙しさに言い訳をする側にとどまるのか、それとも時間をつくり戦略を磨き、静かに勝っていく側に立つのか。社長としての未来は、この選択一つで決まります。