戦略日記
ブランディングは最強の先行投資 #264
ブランディングと広告展開は決して“飾り”ではありません。それどころか、先々の戦略の成否を左右する最重要テーマです。しかし、この領域に本気で取り組める中小企業は驚くほど少ないのが現実です。「今はまだ早い」「まずは足元の売上から」「余裕ができたらやる」多くの経営者が同じ言い訳を繰り返し、結果として市場での存在感を失っていきます。
そもそも戦略とは、“選ばれる理由をつくる”営みです。どれだけ良い商品やサービスを提供していても、顧客の頭の中に存在しなければ選択される土俵にすら上がれません。認知がなければ選ばれず、ブランドがなければ価格で負けます。つまり、ブランディングと広告は「売るための準備」ではなく、「戦いの前提条件」を整える行為そのものなのです。
それにもかかわらず、多くの中小企業はこの投資を“費用”として捉えてしまいます。「広告費は無駄になるのでは?」「回収できる保証はあるのか?」と。しかし、ここで明確にしておくべきことがあります。「失敗しない保証がなければ動けない」と言うのであれば、それは経営ではなく“貯金”の発想です。経営は未来を買いにいく行為であり、保証ではなく覚悟が問われます。この本質が理解できなければ、いつまで経っても一歩目を踏み出せず、停滞経営から抜け出すことはできません。
ブランドは一朝一夕では築けません。顧客の記憶に残り、比較された際に“真っ先に思い出される存在”になるためには、相応の時間と資源が必要です。だからこそ先行投資であり、その決断を早く下せる企業ほど未来の市場を確保していきます。逆にここで二の足を踏む企業は、認知では遅れ、比較では埋もれ、価格では下げざるを得なくなる。すべては「発信を怠った代償」です。
そして、ブランディングと広告展開は単なる集客活動ではありません。これは明確な 「戦略の意思表示」 です。
・どの地域で勝つのか
・誰に向けて価値を届けるのか
・何をもって差別優位を築くのか
三大戦略の方向性を市場に宣言し、競争の土俵を自らつくりにいく行為なのです。
だからこそ、ここを“ケチる”経営は長続きしません。反対に、腹を括って先行投資できる経営者は、数年後にブランド資産という強烈な武器を手に入れます。実際、地域No.1企業の多くが早期段階で広告発信を強化し、ブランドの旗を誰よりも先に掲げています。
戦略とは未来をつくる行為です。未来をつくるためには、ブランディングと広告展開を先行投資と捉え、いま動き出せるかどうかに尽きます。この一歩を踏み出せるか否かが、企業の命運を分けるのです。